新しい言語を学ぶことは、多くの人にとってやりがいのある挑戦です。しかし、語学の習得には時間と労力が必要で、時には挫折してしまうことも。
学ぶ言語によって、難易度や習得にかかる時間が異なります。どのくらいの時間がかかるかは、学ぶ言語の難易度や学習者の母語、学習環境などによって大きく異なります。
今回は、語学習得の難易度別に習得にかかる時間の目安を見ていきたいと思います!
語学習得の定義とは?

まず、語学習得の「習得」とはどのレベルを指すのか、定義の確認をしておきます。一般的に「語学習得」とは、「その言語で基本的な会話ができ、日常的な状況でのコミュニケーションが取れる能力」を指します。具体的には、文法や語彙を理解し、読み書きができ、話して聞くことができる状態を目標としています。
母語と違う言語を流暢に使いこなせるようになるには、膨大な時間と練習が求められますが、日常会話レベルに達するための目安時間は、言語の難易度によって大きく異なります。
言語の難易度と習得時間の目安
語学習得に必要な時間は、学習者の母語やその言語と学ぶ言語の類似性、使用頻度などで変わります。英語が母国語の場合は、同じアルファベットのスペイン語が習得しやすく、日本語が母国語の場合は韓国語が習得しやすいといったように異なります。
今回は、日本語を母語とする学習者向けに、いくつかの言語の習得にかかる時間を以下の4つのカテゴリーに分けて紹介します。
1.
比較的簡単な言語
習得にかかる時間:600~750時間(24~30週間)

日本語を母語とする人にとって比較的簡単な言語は、文法構造が似ているか、アルファベットでシンプルな文法の言語です。
例えば、韓国語やインドネシア語、マレー語などがオススメです。韓国語は、文法的に日本語と多くの共通点があり、語順も似ているため習得しやすいと言われています。インドネシア語やマレー語は、文法がシンプルで規則的な言語です。そのため、複雑な動詞の変化が少なく、比較的短期間で日常会話レベルに達することができます。
2.
中程度の難易度の言語
習得にかかる時間:約900時間(36週間)
英語、ドイツ語、スペイン語などのヨーロッパ言語は、日本語とは語順や発音、文法が異なりますが、英語は学校で多くの日本人が触れているため、比較的馴染みやすい言語です。
スペイン語やイタリア語などは、発音が比較的規則的で、書かれている通りに発音するため、文法の複雑さを除けば習得は容易です。この中で一番難易度が高い言語はドイツ語です。ドイツ語は名詞の性別や複雑な語形変化があり、難易度が高い部分です。
3.
難しい言語
習得にかかる時間:約1100時間(44週間)

このカテゴリーは、文法や発音が日本語と大きく異なる言語です。たとえば、ロシア語、タイ語、ポーランド語、トルコ語などです。これらの言語は、日本語とは全く異なる文法であることに加え、発音や文字が習得する上で大きな壁となることが多いです。
ロシア語は、複雑な動詞の変化やアクセントの重要性が学習の難しさを増します。ポーランド語は、発音や文法の複雑さが習得を困難にしますが、努力次第で克服可能な言語です。
4.
非常に難しい言語
習得にかかる時間:約2200時間(88週間)

最後に、最も難しいとされる言語は代表的なものとして、アラビア語、ヒンディー語などです。これらの言語は、日本語とは文字体系から文法、発音まですべてが大きく異なるため、学習には非常に多くの時間が必要です。
アラビア語は、右から左に書く独特の書字方向や、地域ごとに大きく異なる方言が存在するため、特に初学者にとっては難易度が高いとされています。
語学習得のポイント
おまけとして、最後に語学を習得すためのポイントをいくつか紹介したいと思います。
まず、どの言語を学ぶ場合でも最も重要なのは「継続して学習すること」です。どんな言語でも短期間で習得するのは難しいです。毎日少しずつでも学習を続けることで、確実に上達します。「諦めないこと」「継続すること」が語学を習得するために一番重要なことです。
また「学んだ言語を使う機会」を増やすことも大切です。具体的には、現地での実践や、オンラインでの会話練習、言語交換パートナーとのやり取りなどが効果的です。文法や単語を丸暗記しただけでは、習得したと言い切れません。実際に使うことで身についたことを習得できるでしょう。
さらに、言語を学ぶ際には「目的意識を持つこと」も大切です。ゴールがなければ、終わりが見えずいつまで走り続ければいいのか分かりません。また、目的や目標がないとモチベーションが保てず挫折してしまうことにもつながります。
目的意識の具体例としては、旅行やビジネスのために必要なフレーズを重点的に学んだり、映画や音楽など自分の興味に合わせて学ぶことなどです。比較的身近で現実的な目標にするのがオススメです。
まとめ
語学習得にかかる時間は、習得する言語の難易度や学習者の努力次第で大きく異なります。簡単な言語であれば数百時間、難しい言語では数千時間かかることもありますが、どの言語も「継続」と「実践」が重要です。自分に合ったペースで学習し、楽しみながら言語習得の旅を続けましょう!